腎臓の障害認定基準

障害年金には1級・2級・3級の3つの等級があります。納めていた社会保険の種類によって受け取れる等級が異なります。国民年金は1級・2級。厚生年金は1級から3級まであります。

診断書

腎疾患の障害の等級の目安は、下記の通りです。

認定基準

1級

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が

前各号と同程度以上と認められる状態であって、

日常生活の用を弁ずることがを不能ならしめる程度のもの

2級

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が

前各号と同程度以上と認められる状態であって、

日常生活が著しい制限を受けるか、

又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

3級

身体の機能に、労働が制限を受けるか、

又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

認定要領

2級

人工透析療法施行中のもの

主要症状、人工透析療法施行中の検査成績、長期透析による合併症の有無とその程度、

具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定するされます。

障害の程度を認定する時期は、人工透析療法を初めて受けた日から起算して

3月を経過した日(初診日から起算して1年6月を超える場合を除く)とされます。 

1級

慢性腎不全の検査成績が高度異常を1つ以上示すもので

かつ、一般状態区分表のオに該当するもの

2級

慢性腎不全の検査成績が中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、

かつ、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの

3級

慢性腎不全の検査成績が軽度、中等度又は高度の異常を1つ以上示すもので、

かつ、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの

ネフローゼ症候群の検査成績のうちアが異常を示し、かつ、イ又はウの

いずれかが異常を示すもので、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの 

等級判定基準で使われる検査の内容

一般状態区分

区分

一般状態

無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、

発病前と同等にふるまえるもの 

軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、

歩行、軽労働や座業(軽い家事や事務等)はできるもの

歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、 

軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの 

身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の

50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの

身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、

活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

慢性腎不全の場合

検査項目

軽度異常

中度異常

高度異常

内因性クレアチニン

クリアランス(ml/分)

20以上30未満

10以上20未満

10未満

血清クレアチニン

(mg/dl)

3以上5未満

5以上8未満

8以上

eGFR(推算糸球体濾過量)が記載されていれば、血清クレアチニンの異常 に替えて、eGFR(単位は ml/分/1.73 ㎡)が 10 以上 20 未満のときは軽度異常、 10 未満のときは中等度異常と取り扱うことも可能とする。

ネフローゼ症候群の場合

区分

検査項目

異常

尿蛋白量 (1日尿蛋白量又は 尿蛋白/尿クレアチニ ン比)

g/日、又はg/gCr  

3.5 以上を

持続する 

血清アルブミン(BCG法)  g/dl 

3.0 以下

血清総蛋白 g/dl

6.0 以下

補足

  • 糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を含む)、腎硬化症、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎に罹患し、その後慢性腎不全を生じたものは、両者の期間が長いものであっても、相当因果関係があるものと認められます。
  • 腎疾患は、その原因疾患が多岐にわたり、それによって生じる臨床所見、検査所見も、 また様々なので、上記の検査成績によるほか、合併症の有無とその程度、他の一般検査及び特殊検査の検査成績、治療及び病状の経過等も参考とし、認定時の具体的な日常生活状況等を把握して総合的に認定されます。

ポイント

腎臓移植を受けた場合の障害認定

  • 術後の症状、治療経過、検査成績及び予後等を十分に考慮して総合的に認定されます。 

障害年金を支給されている者が腎臓移植を受けた場合

  • 臓器が生着し、安定的に機能するまでの間を考慮して術後1年間は従前の等級とされます。

最後に

記事をお読みいただいて、「自分の場合はどうだろう?」と思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、当センターへご相談ください。

初回のご相談は無料です。

また障害年金受給診断も無料で行なっておりますので、こちらもご活用ください。

参考サイト:国民・厚生年金 障害認定基準

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