平衡機能の障害認定基準
障害年金には1級・2級・3級の3つの等級があります。加入していた年金制度によって受け取れる等級が異なります。国民年金は1級・2級まで、厚生年金は1級から3級まで(および障害手当金)が対象となります。
平衡(へいこう)機能の障害は、内耳(前庭迷路)、脳幹、小脳などの異常により、体のバランスが保てなくなる状態(めまい、ふらつき)を認定します。
1. 平衡機能の障害認定基準(全体像)
平衡機能の障害には原則として1級の認定基準はありません。最重度のものでも2級からの認定となります。
等級の目安
| 等級 | 障害の状態 |
| 2級 |
平衡機能に著しい障害を有するもの (閉眼で起立・立位保持が不能、または開眼で直線を10メートル歩くことができない状態で、労働能力を欠くもの) |
| 3級 |
平衡機能に障害を残すもの (労働が制限される程度のもの) |
| 障害 手当金 |
平衡機能に障害を残すもの (労働が制限されるが、3級に至らない程度のもの) |
2. 具体的な判定基準(検査と状態)
「著しい障害(2級)」や「障害を残す(3級)」の判断は、四肢の筋力低下がないことを前提に、以下の検査結果等に基づいて厳密に判定されます。
【重要】2級(著しい障害)の具体的要件
以下のアあるいはイに該当し、かつ、労働能力を欠くもの(就労が不可能な状態)を指します。
- ア:閉眼(目を閉じた状態)で起立・立位保持が不能なもの。
- イ:開眼(目を開けた状態)で直線を10メートル歩くことができないもの。
※これらは、体幹失調検査、ロンベルグ検査、マン検査、直立検査、足踏み検査、重心動揺検査などの結果を参考に医師が判断します。
【重要】3級・障害手当金の具体的要件
| 等級 | 状態の目安 |
| 3級 |
めまい等の症状のため、労働が著しく制限されるもの。 (例:眼振などの他覚的所見があり、常時ではないが頻繁にめまいが生じ、就労に大きな支障がある状態) |
| 障害手当金 |
めまい等の症状のため、労働が制限されるもの。 (3級よりも軽度だが、自覚症状だけでなく眼振等の他覚所見が認められる状態) |
3. メニエール病などの認定のポイント
平衡機能障害の原因として多い「メニエール病」などは、症状が出ている時(発作期)と治まっている時(間欠期)があるため、認定には注意が必要です。
⚠️ 症状が変動する場合の評価
めまい発作が頻繁に繰り返される疾患については、「発作時だけの状態」を見て認定するわけではありません。
- 発作の頻度(どれくらいのペースで起きるか)
- 発作の持続時間
- 発作がない時期の平衡機能の状態
これらを考慮し、長期にわたってどれだけ日常生活や労働に制限があるか(平均的な状態)を見て、総合的に認定されます。
4. 聴覚障害との「併合認定」
内耳の病気(メニエール病、突発性難聴、内耳炎など)では、平衡機能障害(めまい)と同時に、聴覚障害(難聴・耳鳴り)が発生することがよくあります。
- 併合認定の対象:平衡機能の障害と聴覚の障害は別個に評価され、併合認定(両方を合わせて等級を決定する)の対象となります。
- 例:「平衡機能障害が3級」+「聴覚障害が3級」= 併合2級 となる可能性があります。
最後に
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