高血圧症の障害認定基準
障害年金には1級・2級・3級の3つの等級があります。加入していた年金制度によって受け取れる等級が異なります。国民年金は1級・2級まで、厚生年金は1級から3級まで(および障害手当金)が対象となります。
高血圧症による障害認定は、単に血圧が高いだけでなく、それによって生じる「悪性高血圧」の状態や、眼底・脳・心臓・腎臓などの「合併症の程度」によって総合的に判断されます。
1. 高血圧症の障害認定基準(全体像)
高血圧症単独での認定は非常に限定的であり、主に「悪性高血圧」と呼ばれる重篤な状態が対象となります。
等級の目安
| 等級 | 障害の状態 |
| 1級 |
「悪性高血圧症」に該当するもの (拡張期血圧が極めて高く、眼底出血や腎不全、心不全などの重篤な症状を伴う状態) |
| 2級 |
高血圧性網膜症(眼底出血・白斑)を有し、かつ以下のいずれかの状態にあるもの
|
| 3級 |
|
2. 「悪性高血圧症(1級)」の定義
1級に認定される「悪性高血圧症」とは、以下の条件をすべて満たすような危険な状態を指します。
- 高い拡張期性高血圧:通常、最小血圧(下の血圧)が 120mmHg 以上であること。
- 重度の眼底所見:Keith-Wagener分類 Ⅲ群以上(眼底出血、白斑、乳頭浮腫など)であること。
- 腎機能障害の進行:放置すれば腎不全に至るような急激な進行が見られること。
- 全身症状の悪化:頭痛、吐き気、視力障害、けいれん、意識障害などの脳症状や心不全症状を伴うこと。
3. 合併症がある場合の取り扱い(重要)
高血圧は全身の臓器に影響を与えます。高血圧が原因で他の臓器に障害が出ている場合は、「高血圧症」の基準ではなく、それぞれの障害の基準で認定されることが一般的です。
| 合併症の種類 | 適用される認定基準 |
| 脳出血・脳梗塞 | 手足の麻痺や言語障害がある場合は「肢体の障害」や「音声・言語機能の障害」、高次脳機能障害がある場合は「精神の障害」として認定されます。 |
| 心疾患 (心肥大・心不全等) |
心電図異常や心不全症状がある場合は、「心疾患による障害」の基準で認定されます。 |
| 腎硬化症・腎不全 | 人工透析やクレアチニン値の異常などがある場合は、「腎疾患による障害」の基準で認定されます。 |
| 動脈硬化性 末梢動脈閉塞症 |
足の切断や機能障害が生じている場合は、「肢体の障害」の基準で認定されます。 |
4. 大動脈解離・大動脈瘤の特例
高血圧を合併する大動脈解離や大動脈瘤については、以下のように取り扱われます。
- 原則3級:人工血管(ステントグラフトを含む)を挿入した場合、または難治性の高血圧を合併している場合は、原則として3級に認定されます。
- 認定日:人工血管を挿入した場合は、挿入した日が障害認定日となります(初診から1年6ヶ月以内の場合)。
最後に
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